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RNAと創薬
編集: 中村義一東京大学医科学研究所遺伝子動態分野教授)


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要 旨

(第1章 3.)

第1章 創薬ツールとしてのRNA
3.RNA工学プラットフォーム
1) アンチセンスRNAテクノロジー(歴史的経緯,臨床研究,パテント,海外の研究動向など)
  (舩渡忠男・高橋美奈子)

アンチセンス法は,遺伝子発現を選択的に阻害する有力な手段として用いられ,核酸医薬として発展してきた。アンチセンスRNAは天然型として存在し,プラスミド型での細菌内における作用は解明されつつある。しかし,有核細胞においての存在は報告されているものの,生物学的機能についてはいまだ明らかではない。アンチセンス法は生体内での有効性も十分認められるようになってきたため,副作用が少ない医薬としての可能性が追求されてきた。現在,ゲノム解析の進歩に基づいたアンチセンス核酸医薬が開発され,その臨床応用が進んでおり,成果が得られている。
2) RNA医薬品の化学修飾 (関根光雄)

本稿では,アンチセンス核酸やsiRNAなどの遺伝子治療あるいは遺伝子診断に必要な修飾 RNAについて最新の研究の動向を紹介する。特に,RNAの糖部修飾体は今後極めて重要であり,糖部をC3'-endo型に立体を固定したRNA誘導体をはじめ,2'-O-シアノエチルRNA など将来有望な誘導体について,その特徴と性質を詳しく解説する。また,最近国内外に研究が急速に進展している,糖部と塩基部を同時に修飾した,より高度な機能をもつ人工RNAについても紹介する。
3) リボザイム・テクノロジー (大内将司)

リボザイムは触媒活性をもつRNA分子である。天然リボザイムは,RNAのプロセシングを触媒することから,遺伝子治療をはじめとした応用分野での研究が展開されている。単なるノックダウンの手法としての地位はsiRNA技術に取って代わられたものの,リボザイムはその分子工学的改変の容易性から,様々な特徴をもった新規RNA医薬品としての展開が期待されている。
4) 生体内RNAプロセシング(RNase P/tRNase ZL誘導型ガイドRNAテクノロジー)
  (黒崎直子・羽生勇一郎・高久 洋)

生体内プロセシング酵素はtRNA前駆体を切断することにより,RNAの機能を制御するものである。この酵素にはリボヌクレアーゼP(RNase P)やtRNA Zなどがある。これらは,基質RNAと特異的に結合する特定の二次構造を有するRNAを認識し,基質RNAの5'末端または3'末端を切断する。この機能を利用して,既知の疾患遺伝子のRNAを切断し,その発現を特異的に抑制することで新しい治療法の開発が期待できる。このように,生体内プロセシング酵素は遺伝子の機能を追求するという目的だけに利用されるのではなく,疾患遺伝子の発現抑制という医学的な役割も十分期待される。
5) shRNA発現ユニットを搭載したウイルスベクターの現状 (水谷壮利・原口 健・伊庭英夫)

siRNA やアプタマーといった生理活性の高いRNAが容易に設計できることとなった現在,最終的にはこれらの発現を個体内で時間・空間的に制御する形で誘導することが可能となれば,疾患モデル動物の作製はもちろん,ヒト遺伝子治療への貢献ははかりしれない。従来より開発されてきたウイルスベクターに,こうした活性RNAの発現ユニットを搭載する工夫がなされており,一定の成功を収めている。本稿ではsiRNAを発現する種々のベクターの現状を紹介する。
6) 非ウイルス系デリバリーシステム (中西真人)

機能性RNA,特に短い二重鎖RNAであるsiRNAを使った遺伝子発現抑制技術は,今や動物細胞の機能解析に必須となっている。さらに最近では,内在性の小さなmicro RNAが遺伝子発現の調節に深く関わっていることも明らかになってきた。合成RNAや試験管内転写系を使って作製したRNAを動物細胞に導入する手法は,このような研究の基盤となる重要な技術である。さらに,これらのRNAを臨床応用するための基礎研究として,齧歯類を使った動物実験も進められている。
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