編集後記

 この度,通算55号の遺伝子医学を発行できる運びとなりました。
本号の特集は,「わが国のゲノムコホートが拓く未来医療・予防」です。特集コーディネーターは静岡社会健康医学大学院大学教授の田原康玄先生にお願いいたしました。この特集では,田原先生のご尽力により,国内を代表する多様なゲノムコホート研究の現状と展望を俯瞰する内容となりました。東北メディカル・メガバンクやバイオバンク・ジャパンをはじめ,地域に根ざしたコホートから全国規模の研究まで,わが国の取り組みの広がりが示されています。コホート研究は,社会基盤として個別化予防や未来医療を支える重要な役割を担いつつあります。本特集が,ゲノム医療の次の時代を考える一助となれば幸いです。今後の発展に大きな期待を寄せたいと思います。
 特集以外では,遺伝性疾患や技術をシリーズで学ぶためのLearning,Methodもこれまで同様に充実した記事を集めることができました。「目で見てわかる遺伝病」は消化器内科編の第5回として「家族性大腸腺腫症(十二指腸病変)」を取り上げました。「Genetic Counseling(実践に学ぶ遺伝カウンセリングのコツ)」ではミトコンドリア病の着床前遺伝学的検査(PGT-M)をテーマとし,「CGC Diary(私の遺伝カウンセリング日記)」では生殖補助医療胚培養士とのダブルライセンスについてご執筆いただきました。NEXUS(ヒト以外の遺伝子に関連する研究)では「三毛猫の毛色を決める遺伝子の発見〜60年越しで解明された「オレンジ毛」の謎〜」という大変興味深いテーマを取り上げていただきました。「Ties 絆(当事者会,支援団体の紹介)」は認定NPO法人全国脊髄小脳変性症・多系統萎縮症友の会様にご執筆いただきました。
 最後になりますが,本誌編集にご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げるとともに第56号以降もご指導賜りますよう引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

令和8年2月18日
編集幹事
北海道大学病院臨床遺伝子診療部
山田崇弘