編集後記

 多くの皆様のお力をいただき,この度遺伝子医学の復刊第3号を発行できる運びとなりました。
 本号の特集は,ますます注目を集める「周産期の遺伝医学」といたしました。コーディネーターは昭和大学医学部産婦人科の関沢明彦先生にお願いし,研究として発展してきた先天性疾患の診断や出生前遺伝学的検査の進歩をどのように一般診療へ還元してゆくかという視点でプログラムを組んでいただきました。倫理的側面,母体年齢の高齢化,対象となる疾患,そして流死産や胎児異常への新しいアプローチやNIPTの新たな可能性,これからのあるべき出生前診断体制まで一線で活躍されている先生方にご執筆いただきました。非認可施設におけるNIPT問題とNIPTへのアクセスについて,出生前診断のこれからのあり方や実施体制が議論される中で,この特集が皆様の役に立つことを期待しております。特集以外では再生医療を扱ったHot Topics(話題),生殖細胞系列の分化メカニズムに関するResearch(ヒト遺伝子研究最新動向),3回目となった眼科疾患シリーズの目で見てわかる遺伝病,そして遺伝性疾患や技術をシリーズで学ぶためのLearning,Method,Technology,Statistical Geneticsも充実した記事を集めることができました。また,ヒト以外の遺伝子に関する研究を連載するNEXUSや遺伝カウンセリングのシリーズ(Genetic Counseling,CGC Diary)もますます充実してまいりました。心より御礼申し上げるとともに第4号以降もご指導賜りますよう引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成31年2月8日
編集幹事
京都大学医学部附属病院遺伝子診療部
山田崇弘