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メタボロミクス:その解析技術と
臨床・創薬応用研究の最前線
編集: 田口 良(東京大学大学院医学系研究科特任教授)

本書籍をご購入の場合は ……………… 1冊 5,761円 (本体 5,238円+税10%)


要 旨

(第2章)


第2章 メタボロミクスの医療・創薬への応用
1.疾患,病態解析への応用
1) 肥満・代謝異常マウスのメタボローム解析SNARKノックアウトマウスの生理機能解析 (土原一哉江角浩安)

生体のエネルギー代謝の制御に深く関与するAMPKには16種類の関連キナーゼが存在する。その1つSNARKを欠損したノックアウトマウスでは脂肪蓄積の増大による肥満が認められた。Snark+/-肝では長鎖アシルCoA量が減少しており,肝での脂肪酸合成の亢進,脂肪酸分解の抑制と矛盾しない結果が得られ,SNARKによる脂肪代謝制御機構が示唆された。……
2) ステロイドホルモンの心筋障害抑制作用とプロスタグランジンD2 (佐野元昭・徳留(横尾)さとり)

ステロイドホルモンであるグルココルチコイドの心疾患(心筋梗塞や心筋炎)に対する治療効果はグルココルチコイドのもつ抗炎症・免疫抑制作用に基づくものであると考えられてきた。われわれは,齧歯類の心臓においてグルココルチコイドが心筋細胞におけるプロスタグランジンD2(PGD2)合成を活性化させることによって虚血・再灌流障害を減弱させる効果を発揮することを見出した。……
3) メタボロミクスから見た寄生虫の低酸素適応戦略 (北 潔)

われわれ人間を含む哺乳類は酸素がなくては生きて行けない。一方,寄生虫は多様な代謝系によって宿主体内の低酸素の環境に適応してATPを合成し,寄生現象を成立させている。しかも,寄生虫はその宿主体内と自由生活性からなるライフサイクルにおいて,代謝系をダイナミックに変動させ,大きく異なる生息環境に適応している。……
4) 脂肪酸代謝と炎症のメタボロミクス (有田 誠)

炎症反応はプロスタグランジンやリポキシンなどの脂肪酸由来のメディエーターによって,それぞれ正と負の調節を受けることが知られている。これらの脂質メディエーターがいつ,どこで,どのようなバランスで産生されているのかを全体像として把握することが,炎症の発生から収束に至るプロセスを理解するうえで重要である。……
5) 出血性ショックにおけるラット腸間膜リンパ液中の脂質メタボローム解析 (小林哲幸)

出血性ショックでは,輸血によって虚血状態は回復しても,各種の炎症性メディエーターが全身を循環して急性呼吸窮迫症候群・多臓器不全などの重篤な炎症性二次障害が問題となる。われわれは,質量分析を用いた脂質メタボローム解析により,出血性ショックモデルラットの腸間膜リンパ液中では出血性ショック依存的に不飽和脂肪酸含有リゾリン脂質が増加することを明らかにした。……
6) 脂質メタボロームから見るsPLA2群の生体内機能 (村上 誠)

生体膜のグリセロリン脂質のグリセロール骨格の2位を加水分解して脂肪酸とリゾリン脂質を生成する酵素群をホスホリパーゼA2(PLA2)と呼ぶ。ヒト遺伝子上にはPLA2をコードする遺伝子が30種以上存在するが,このうち1/3は細胞外に分泌されるsPLA2(secreted PLA2)ファミリーに属する分子である。sPLA2群の研究は久しく混沌とした状況が続いていたが,最近になって……
7) NMRメタボロミクスの医療への応用 - 生活習慣病・慢性腎臓病を標的にして - (藤原正子今井 潤関野 宏竹内和久)

NMRメタボロミクスの方法として,われわれは含まれる代謝物の量比を水素核NMRスペクトルのパターンとして把握するノンターゲット法を用いる。生体サンプルの前処理をほとんど必要としない迅速簡便な方法であるため,医療応用としての可能性をもつ。本法を生活習慣病の中でも深刻で複雑な病態をもつ慢性腎臓病(CKD : chronic kidney disease)および透析の解析に適用した。……
 2.病態マーカー探索
1) GC/MSを用いるメタボロミクスの化学診断, 個別化医療, 化学物質毒性評価への応用 (久原とみ子)

バイオマーカーや個別化医療の概念が古くから社会に活かされてきたことは,早期診断・早期治療による心身障害発生予防を目的とした新生児マススクリーニング事業にも示されている。GC/MSによる尿有機酸計測で有機酸血症など一連の先天性代謝疾患の化学診断ができ,それに基づいて治療選択,遺伝子解析ができる。……
2) 酸化ストレスマーカーとしての酸化リン脂質のメタボロミクス (中西広樹田口 良)

メタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病やそれに起因する各種の炎症性疾患である動脈硬化症や心筋梗塞などの分子メカニズムの解明には,多価不飽和脂肪酸およびそれを含むリン脂質とその酸化代謝物の分子種パターンの変化を捉えることが重要である。……
 3.創薬開発への応用
1) 薬理作用機序研究におけるメタボロミクス (上原泰介小田吉哉)

内因性代謝物の変動を生体の化学的な表現型として網羅的に捉えるメタボロミクスは,バイオマーカー探索だけでなく,細胞内の分子メカニズムを解明するためのツールとして,生理活性化合物の作用機序(mode of action)解析研究においても重要な役割を果たすことが期待できる。……
2) 創薬における毒性回避の研究 (橋本 豊)

医薬品開発の中止理由のトップは,以前は薬物動態の不具合であったが,開発の初期から薬物動態研究者が参画することにより激減した。一方で毒性による開発中止は逆に倍増している。これは従来の毒性研究手法の抜本的改革が必要であることを示している。最近,毒性研究に薬物動態研究の手法を取り入れた毒性発現機構の研究が盛んになりつつある。……
3) フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置(FT-ICR MS)を用いたメタボリックフィンガープリンティングによる毒性評価への適用
 (長谷川美奈
竹中重雄)

医薬品開発において,新薬候補化合物の毒性を開発早期に検出することが重要であるが,従来の毒性評価法だけでは代謝全般への影響を検出することは困難である。そこで,それらの代謝への影響を検出する手法としてメタボロミクスが注目されている。特に毒性発現に関与するバイオマーカー候補の検出・同定が期待されている。……
4) オミクス統合解析によるフィトケミカル生合成遺伝子の解明 (平井優美)

植物界には,構造的に多様な20万種以上の化合物が存在し,その生理活性のために古来薬として利用されてきたものも多い。植物の作る化合物の多様性は,様々な植物種がそれぞれ特有の生合成酵素遺伝子をもつことに起因する。有用な植物化合物を効率よく生産するためには,酵素遺伝子とその制御遺伝子を解明することが重要である。……
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