編集後記

 通算36号復刊第11号の遺伝子医学を発行できる運びとなりました。
 本号の特集は,「Common disease解析の最前線」です。特集コーディネーターは国立国際医療研究センター研究所ゲノム医科学プロジェクト・戸山プロジェクト長の徳永勝士先生にお願いいたしました。いわゆる希少疾患や遺伝性腫瘍だけではなくcommon diseaseにまで広がってきたゲノム研究・ゲノム医療でありますが,幅広い対象疾患とその解析手法について,それぞれの専門を代表する立場の先生方にご執筆いただきました。
 特集以外ではResearch(ヒト遺伝子研究最新動向)として「メンデル無作為化法」を取り上げ,遺伝性疾患や技術をシリーズで学ぶためのLearning,Lecture,Method,Technologyもこれまで同様に充実した記事を集めることができました。「目で見てわかる遺伝病」は皮膚科編の第2回として「神経線維腫症1型」を取り上げていただきました。ヒト以外の遺伝子に関する研究を連載するNEXUSではついにワクチン接種も始まり注目される「新型コロナウイルスのゲノム」を東海大学医学部の中川 草先生にご執筆いただきました。認定遺伝カウンセラー®のリレー記事である「Genetic Counseling(実践に学ぶ遺伝カウンセリングのコツ)」と「CGC Diary(私の遺伝カウンセリング日記)」は安定の充実ぶりとなっております。「Ties 絆(当事者会,支援団体の紹介)」は特定非営利活動法人ALDの未来を考える会様にご執筆いただきました。最後になりますが,本誌編集にご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げるとともに7月発行予定の第12号以降もご指導賜りますよう引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和3年2月18日
編集幹事
京都大学医学部附属病院遺伝子診療部
山田崇弘