編集後記

 歴史ある遺伝子医学が多くの皆様のご支援により復刊され,第1号が無事刊行されました。待望の復刊ののち,この雑誌がこれから長きにわたり継続されるためには第2号は非常に重要となります。ここに,遺伝子医学復刊第2号を発行できる運びとなりましたことは編集者一同にとって無上の喜びであります。
 さて,本号におきましては,特集を「ゲノム編集と倫理」として東京医科歯科大学の吉田雅幸先生にコーディネートをお願いいたしました。注目を集めるゲノム編集の現状,技術,そしてヒト生殖細胞系列への臨床応用についても世論や倫理の問題から多角的にオピニオンリーダーの先生方から原稿をいただきました。奇しくもこの編集後記を書いているところにちょうど中国においてヒト生殖細胞系列にゲノム編集を行った児が出生したとの報道があり,議論が沸騰しております。これからの議論を進める上でもこの特集が皆様の役に立つことを期待しております。特集以外では第1号から継続する,目で見てわかる遺伝病,Hot Topics(話題),Research(ヒト遺伝子研究の最新動向)そして遺伝性疾患や技術ををシリーズで学ぶためのLearning,Lecture,Method,Technology,Statistical Geneticsも充実した記事を集めることができました。また,ヒト以外の遺伝子に関する研究を連載するNEXUSや復刊後はとくに力を入れている遺伝カウンセリングのシリーズ(Genetic Counseling,CGC Diary)も読者の皆様にご満足いただけることと存じます。ようやく復刊に漕ぎ着けたこの雑誌を今後発展させてゆくために多くの皆様のご支援が重要であることを実感しております。心より御礼申し上げるとともに第3号以降もご指導賜りますよう引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成30年12月6日
編集幹事
京都大学医学部附属病院遺伝子診療部
山田崇弘